『なぜ恋人が撮る写真はヘタでも心が動かされるのだろう? 写真家・幡野広志が語る“いい写真”と“ダメな写真”とは | ダ・ヴィンチWeb』
写真とは、自分の感動を残すこと。好奇心と行動力を持って、真摯に被写体と向き合うこと。本の中盤に出てくる「写真をはじめる前に、人間をはじめましょう」という幡野さんの言葉は、まっすぐで正しく誠実で、印象深く心に残った。 冒頭の私のかつての恋人の写真には、きっと、その人が見ている世界、その人の感情が滲み出ていたから心が動かされたのだろうなと思う。相手の私に対する感情が伝わり、それが気恥ずかしくもうれしくて、今思い返せば写真は愛そのものだった。別れる間際、相手は私を撮らなくなった。撮りたい感情がもう湧き出てこなかったのだろう。「撮らない」ことも含め、写真なのかもしれないと思った。